Roadster Carport 2

簡素を旨とし、有孔折板を活かすデザイン。

有孔折板を設置しました。取付は実験的に施主と私の二人で行いました。施工に関しては素人ですが、何とかなるものです。ディテールは後述することにして、材料そのものについて触れると、MAX KENZO(或はETERNIT)に製作していただきました。京都のSEWでも協力していただきましたが、このように小さな案件でも大変協力的ですし、一緒になって色々試行錯誤してくださる点でも大変信頼しています。

ここの有孔折板の特徴は孔のあけ方や鉄板の折り方が自由になることです。今回は施工的にも費用的にも手軽であることが重要でした。そこで1mm厚の板を用い定尺の30cmを折ってデザインしています。MAXから、1mm厚ならスーパーダイマだと薦められ、それ用いています。高価な材料という認識がありますが、その点でも協力していただいたと思っています。

鉄骨は亜鉛メッキ、有孔折板はスーパーダイマ。有孔折板の取付資材や、盆栽を乗せる棚のブラケットはホームセンターで調達した電気メッキされた材料です。どれも錆に強いものを用いています。電気メッキの材料がどの程度の耐錆性能を発揮するかこれも実験です。継続してまめにチェックします。
有孔折板もブラケットも、鉄骨に予め開けておいたボルト穴を利用して留めています。有孔折板はH鋼の溝に対してはルーズです。1mm厚の材料ではお互いに留めていても溝の中でガタガタしてしまいます。そこでホームセンターで買ってきた孔開きアングルを、有孔折板と一緒に溝の中に固定しガタつきを防止しています。溝のない側の有孔折板は、有孔折板と一緒にMAXにつくってもらった同材のレールを用いて固定しています。

前頁のように、フレームだけの姿でも成立する様にデザインしていますが、何かが追加されたからといってデザインが崩れることはありません。それも想定の内ですし、これから設置される梯子階段や葦簀も同様です。有孔折板以外のパターンも検討してあるので、仮に、使い方に応じて別のヴァージョンに変わったとしても大丈夫です。

施主は、畑仕事や庭仕事にまつわる物を心置きなく積み込める車として、ロードスターの他に小型の四駆も所有しています。ロードスターを所有したことが車庫を設置することのきっかけでしたが、実際には写真のように二台駐車します。

神はディテールに宿ると言った人がいます。ショッキングなデザインでアッと言わせる建築ではない場合、ディテールはなおさら重要になってきます。そうかと言って職人芸的な手段は、簡素を旨とする私にとっては禁じ手です。簡素=効果的な最小限の工夫を実践するために、施主の協力を得て、使い方によって交換が起こり得る部分については”Do it yourself."を試しています。

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