また大谷翔平のシーズンが始まる．今年はその前にドラマがあった．大谷がMLBに行く前から当代一と謳われていたトラウトと，史上最高と目される大谷の一騎打ち．
去年トラウトが早々とWBCに参加を表明したとき，当代最高の選手は決して対戦することのできないもう一人の最高と本気の勝負したいのだろうと想像した．持てる才能を思う存分発揮するには最高の好敵手が必要なのだ．ただ，それはいつもは頼もしいチームメイト．WBCは最高の舞台であり，果たしてそれは最高の状況で実現した．
ところでこの一騎打ち，剣闘士やガンマン或いは巌流島とは異なり，両軍が固唾を呑んで見守るなか名乗りを上げて勝負する鎌倉武士を連想させた．シーズン中にはない異様な雰囲気は画面からでも伝わってきた．今まで考えたことも無かったが，野球ならではの愉しみ方の一つかもしれない．これを超える一騎打ちは投手大谷と打者大谷しか思いつかない．
さあシーズンが始まる．WBCの投手大谷はシーズン前ということもあってか，まだその実力を発揮していなかった様に見えたが，打者大谷は打率もホームランも今年も伸びるように見えた．今度はチームメイトのトラウトと共闘して念願のエンゼルスとしての優勝を果たした上で，最多勝と本塁打王を獲得するような大谷旋風を見てみたい．
