内科・耳鼻咽喉科を想定した診療所の計画.診療所は些細な相談にも応えてくれる身近な医療機関なので,日常性や親しみやすさを重んじ,馴染みのある木造住宅の規模感を取り入れようと考えた.そこで,2.73m角の架構を念頭に少し小さめの柱割にすることで,材積と空間の無駄使いを抑えつつ,プランニングやつくり込みで必要十分な空間をつくろうとしている.
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敷地は東側で接道し,間口が狭く奥行の長い形状をしている.また北側隣地は店舗などが利用する駐車場で,スタッフの駐車場もそこに含まれている.尚,北側隣地と計画地は同一オーナーであり,この駐車場に当分建物が建つことはない.
診療所を訪れる人は体調が悪いので,それ以上の不快感を生じないよう,できれば少しでも不快感を和らげられることを意識した.私の感覚では閉塞的な空間だと鬱々とするし,外からの視線を感じるのも気分が悪い.そこで,当分建物の建たない北側からほどほどの開放性と安定した北側採光を得る.北側外壁に目隠しの有孔折板とセットにした大きな開口を設けそこを待合にした.また,屋根を南下りの片流れとし,建物内の南寄りにある諸室にもハイサイドライトから安定した採光とほどほどの開放感を得ている.